女優 劇作家 渡辺えりさんを通じて知った 高村光太郎の詩「必死の時」を読みたくて奈良県立図書情報館の戦争体験文庫から借りてきました。この本が出版されたのが昭和39年、定価390円とありました。文庫本より大きめのサイズです。読みやすい。そして戦争を昨日のことのように感じられる内容です。全集の月報の一文を再記します。
この全集は、戦争に参加して現在生き残った人々には、戦争の体験を思い起こしてもらい度い。また、犠牲者の肉親や友人は故人を思い出していただきたい。戦争中は子供で現在は社会の第一線で活躍している人たちは、当時の大人たちが何をしたか、何を考えたかを知ってもらいたい。 そしてあの千古未曾有の大戦争の真実と、それに対処した人間の真実を肌に感じてもらいたいと思います。 概念的に戦争の悲惨を云々することより、事実としての記録、或は文学のうちにひそむ悲惨を具体的に知ることによって、はじめて戦争はもうごめんだと言えるようになるのだと確信します。